ガクドーの友達と
いつもの公園にいくと、隅っこに黒い玉があった。
「なんだこれは」「昨日はなかったぞ」「硬い、重い」
自分たちの縄張りに新しく現れたこの玉に対して
小人たちがやいのやいのと話をしていた。
いつのまにか現れたガクドーの先生によるとボーリングの玉らしい。
(ぼくは「ボーリング」は聞いたことがあったが、どんなものなのかは知らなかった)
硬くて重いボールだ
鉄のボールだ
という話になり。
結局そのボールでキックベースをやることになった。
攻撃側の配置についたぼくらは順番に先生が転がす玉に対峙する。
つぎつぎと勇士が叫び声をあげていく。
いつものキックベースの様には玉はどかんと飛びもしない。
ぼくの番だ。
よし、と思い。助走をとって来た球を思い切りけった。
「いってぇぇぇぇー。」
足の甲から全身へビリビリと電流と痛みが走った。
玉はのそのそと三塁線をめんどくさそうに転がる。
蹴るまでは、痛いことや怪我をするかもということはまったく考えなかった。
蹴った後、痛いことや怪我をするかもとあまり考えなかった。
ボールを蹴っ飛ばしてやる。
それしかなかった。
あれ以来ボーリングの玉を見ると、これらの思い出が蘇るし
本当はちょっと蹴りたくなってくる。
(ちなみに誰も怪我はしませんでした)
なぜこんな話を思い出したかというと、今日ボーリングをしに行くからです。